見たことないオリジナルデッキに出会うと嬉しいカズヒコです、こんにちは。
今回は、
「Pauper環境へのソリューション?」
と思ってしまったデッキ
「赤青ティムコントロール」
を紹介します。
これは先日紹介した「バント境界石」で遊んでいた数年前、たまたま野試合で出会ったオリジナルデッキです。
お互いに自分の感性だけで組み上げた見かけないデッキでの対戦だったのでワクワクしたのを覚えています。
動きの予想がつかず、何が飛んでくるか分からないハラハラした楽しいマッチでしたよ。
しかし、楽しさとは裏腹に結果を見ると散々なものでした・・・
除去って除去って除去られまくり、ティムによってフタをされ、頼みの綱はカウンター・・・
これ以上ないくらい手も足も出ない完封負けでした・・・
単純なビートダウンだった私の「バント境界石」を目の敵にしたようなデッキな上に、相手のプレイングも的確で完膚なきまでにやられましたよ・・・
あまりの負けっぷりに悔しさで顔を上げられなかったんですが、パッと見では弱そうに見えるカードを使ってここまで強いデッキを組み上げた相手への尊敬というか関心が強く残り、MTGの可能性を感じる試合になりました。
試合後、誰も知らないであろうこのデッキがパウパー環境で通用する新たなデッキになると感じた私は
「自分も使ってみたい」
と思い、見えたカードから予想して大まかなデッキを組んでみました。
そして色々と調整する中でクリーチャーデッキへの強さを改めて確信し、これは世に残すべきデッキだと思い紹介することにしました。
3戦の中で使われたカードから予想して組んだので原案とは違うと思いますが、調整の末にかなり良い形にまとまったと思います。
パウパーに存在するクリーチャーデッキへの1つの解答になるかもしれませんので、ぜひ1度お試しください。
Pauper「赤青ティムコントロール」のレシピ
土地(18枚)
6 島
4 山
4 急流の崖
4 広漠なる変幻地
クリーチャー(12枚)
4 カミソリひれのハンター
3 投火師
3 火花鍛冶
2 放蕩魔術師
呪文(30枚)
4 定業
4 蓄積した知識
4 稲妻
4 炎の斬り付け
3 炎の稲妻
2 弧状の稲妻
4 対抗呪文
4 禁制
1 剥奪
サイドボード
4 消灯
4 残響する真実
2 否認
1 剥奪
1 弧状の稲妻
3 大祖始の遺産
デッキの説明
「赤青ティムコントロール」
という名前の通り、
「タップ能力で1点のダメージを飛ばすティム系クリーチャー」
を使ったコントロールデッキです。
・赤の優秀な火力
・青のカウンター
によって場をコントロールし、
・ドロー呪文で手札を整え
・ティムを出してフタをする
という動きにより、クリーチャーデッキに対する強いコントロール力を持っています。
環境に存在する軽量クリーチャーを展開して殴り切る高速アグロを中心に、クリーチャーデッキをこれでもかと狙い撃ちにしたデッキですね。
タフネス1~2程度の小粒なクリーチャーはティムの餌食なので、場が落ち着いてティムが2体いる状況を作れば小粒クリーチャーが多い軽量アグロは手も足も出ません。
この狙い通り、タフネス2までのクリーチャーが多い「バント境界石」では手も足も出ませんでしたしね。
「ギルドパクトの守護者」のような頼みの綱も的確にカウンターで対処できるので、
「何を通し何を打ち消すか」
の判断を誤らなければかなり強く戦えるデッキだと思います。
普段は見向きもされないティムが持つ
「1点を自由に飛ばせる能力」
の強さを再認識させられるデッキですね。
複数のティムにより毎ターン1~3点を自由に振り分けられる地味な脅威で、ファンデッキだと油断してる相手のことをジワジワと追い詰めてあげましょう。
「決まれば勝ち」
な派手さはなく
「ゆっくり勝つ」
地味なデッキなので、チマチマと梱包材のプチプチを1つずつ潰していくような地道な作業が好きな方にはオススメのデッキですね。
キーカードの紹介
見慣れないクリーチャーだと思うのでザっと紹介します。
カミソリひれのハンター
コスト(赤)(青)の「1/1」「マーフォーク・ゴブリン」で
「(T):クリーチャー1体かプレイヤー1人かプレインズウォーカー1体に1点のダメージを与える」
という能力を持ったクリーチャーです。
2マナという軽さが優秀で、このデッキの核となるカードです。
投火師
コスト(1)(赤)の「1/1」「人間・ウィザード」で
「(T):クリーチャー1体かプレインズウォーカー1体かプレイヤー1人を対象とする。投火師はそれに1点のダメージを与え、あなたに1点のダメージを与える」
という能力を持ったクリーチャーです。
ティム能力を持っていますが、こちらにも1点を与えてしまうデメリットがあります。
本家ティムより1マナ軽いメリットと引き換えにちょっと痛みを伴うデメリットを持った赤らしいカードですね。
火花鍛冶
コスト(1)(赤)の「1/1」「ゴブリン」で
「(T):クリーチャー1体を対象とする。火花鍛冶は、それとあなたにX点のダメージを与える。Xは、戦場に出ているゴブリン(Goblin)の数に等しい」
という能力を持ったクリーチャーです。
クリーチャー限定のティム能力を持っています。
自分がコントロールしているゴブリンの数だけダメージを飛ばせますが、こちらにも同等のダメージを与えてくるデメリットがあります。
あまり使いすぎるとコイツにやられるリスクもあるので使い所に注意が必要です。
放蕩魔術師
コスト(2)(青)の「1/1」「人間・ウィザード」で
「(T):クリーチャー1体かプレインズウォーカー1体かプレイヤー1人を対象とする。放蕩魔術師はそれに1点のダメージを与える」
という能力を持ったクリーチャーです。
ティムの由来はこのカードから来ている元祖ティムです。
このカードを基準にティム能力持ちクリーチャーはできているので、興味がありましたら下記リンクからティムの亜種を検索してみてください。
基本的な動き
序盤は軽量の火力とカウンターで凌ぎ、機を見てティムを出して相手の動きを牽制するのが基本です。
相手の動きが遅ければとりあえずティムを出しておくだけでその後の展開に制限を加えられるので地味に強いです。
クリーチャーが出ればクリーチャー除去に、何もなければ相手のエンドにプレイヤーに1点、という感じでジワジワ追い詰めるのが基本であり全てです。
決まれば勝ちのブン回りはありません。
もしあるとすれば相手のブン回りに対応できるように火力やカウンターを引き込み、敵のブン回りを完全に阻止するという動きかもしれません。
火力とカウンターをどこに打つかの見極めが大切なので
「通すべきものと通してはいけないもの」
の判断を間違えないようにたくさん練習してください。
このデッキの弱点
「実は自分もティムに弱い」という弱点があります。
こちらもタフネス1のクリーチャーしかいないのでティム能力がメチャクチャ刺さるんですよね・・・
普通に除去も豊富なので黒コンは苦手ですね。
他にも「プロテクション(赤)」がキツイです。
除去は火力に頼っているのでサイドボード後にこの手の対策カードを出されるとなかなか触れなくて対処に困るんですよね・・・
殴り合いでは勝てないのでこの手のデッキには相性が悪すぎて辛いです。
対処するには全力カウンターしかないので2マナ揃う前に出さないでくれと願うしかありません。
シンプルなクリーチャーデッキには強いですが、ティム能力を始め、基本的に単体除去に頼っているので的確に対処されると何もできないという弱点が露呈しますね。
この辺は諦めるしかないかもしれません。
サイドボードの説明
4 消灯
4 残響する真実
2 否認
1 剥奪
1 弧状の稲妻
3 大祖始の遺産
消灯
コスト(青)のインスタントで
「各プレイヤーは、自分がコントロールするクリーチャーを1体、オーナーの手札に戻す」
という効果を持っています。
青1マナで各プレイヤーのクリーチャー1体を手札に戻させるインスタントです。
苦手な「呪禁オーラ」への対策カードですね。
これくらいしか対処手段がないので入れています。
残響する真実
コスト(1)(青)のインスタントで
「土地でないパーマネント1つを対象とする。それと、そのパーマネントと同じ名前を持つ他のすべてのパーマネントを、オーナーの手札に戻す」
という効果を持ったシンプルなバウンス呪文です。
火力が効かない相手の場合、時間稼ぎにしかなりませんがこれで対処します。
戻して打ち消すという動きができればどうにかなるのでギリギリ希望が残せるカードです。
否認
コスト(1)(青)のインスタントで
「クリーチャーでない呪文を打ち消す」
という効果を持っています。
クリーチャー少な目のデッキならこちらが刺さるので入れています。
「禁制」で対処できない重めの呪文にも対処できますし、相手によって入れ替えてください。
剥奪
コスト(青)(青)のインスタントで
「この呪文を唱えるための追加コストとして、あなたがコントロールする土地1つをオーナーの手札に戻す」「呪文1つを対象とし、それを打ち消す」
という効果を持っています。
土地を手札に戻すデメリット付きの「対抗呪文」です。
追加の確定カウンターとして採用しています。
打ち消し以外で対処できない呪文への対策ですね。
弧状の稲妻
コスト(2)(赤)のソーサリーで
「1つか2つか3つのクリーチャーとプレインズウォーカーとプレイヤーの組み合わせを対象とする。弧状の稲妻は、それらに3点のダメージを望むように割り振って与える」
という効果を持っています。
小粒クリーチャーが並ぶデッキへの対処手段です。
序盤に並べられたものをまとめて除去できるとティムでフタをする動きに繋げやすいので採用しています。
「エルフ」などのタフネス1が並ぶデッキへどうぞ。
大祖始の遺産
コスト(1)のアーティファクトで
「(T):プレイヤー1人を対象とする。そのプレイヤーは自分の墓地にあるカード1枚を追放する」「(1),大祖始の遺産を追放する:すべての墓地にあるすべてのカードを追放する。カードを1枚引く」
という効果を持っています。
定番の墓地対策です。
「蓄積した知識」を使っているのでちょっとマイナスになるのがアレですけどね。
それか「虚無の呪文爆弾」にするか・・・
墓地を一掃した後にドローができないのがちょっと残念ですが、「蓄積した知識」を使っているなら「虚無の呪文爆弾」の方が良いかもしれません。
その他の候補カード
・思案
・削剥
・紅蓮破
・水流破
・焦熱の連続砲撃
・広がりゆく海
思案
コスト(青)のソーサリーで
「あなたのライブラリーのカードを上から3枚見る。その後それらを望む順番で戻す。あなたはライブラリーを切り直してもよい」「カードを1枚引く」
という効果を持っています。
定番の1マナドロー呪文で「蓄積した知識」と入れ替えも考えられるカードです。
土地が18枚と少ないので、初手に島1枚と1マナドローという状況になりがちですが「思案」があればキープするのもなくはないですしね。
ダブマリになるくらいならトップ3枚に賭けて、ダメならシャッフルしてどうかの運試しもアリっちゃアリですし・・・
安定したドローが好きならこちらを採用してください。
削剥
コスト(1)(赤)のインスタントで
以下から1つを選ぶ・クリーチャー1体を対象とする。削剥はそれに3点のダメージを与える・アーティファクト1つを対象とし、それを破壊する
という効果を持っています。
クリーチャー除去にもなるアーティファクト対策です。
腐らないのでメインからこちらを採用するのもアリですね。
紅蓮破
コスト(赤)のインスタントで
以下から1つを選ぶ・呪文1つを対象とし、その色が青である場合、それを打ち消す・パーマネント1つを対象とし、その色が青である場合、それを破壊する
という効果を持っています。
青への対策に定番のカードです。
環境に青が多いならサイドに3枚くらい採用しておくといいかもしれません。
水流破
コスト(青)のインスタントで
以下から1つを選ぶ・呪文1つを対象とし、その色が赤である場合、それを打ち消す・パーマネント1つを対象とし、その色が赤である場合、それを破壊する
という効果を持っています。
赤への対策カードです。
環境に赤が多いならサイドに3枚くらいあるといいですね。
焦熱の連続砲撃
コスト(2)(赤)のインスタントで
「焦熱の連続砲撃は、海賊(Pirate)でない各クリーチャーにそれぞれ2点のダメージを与える」
という効果を持っています。
Pauperで使える全体除去です。
クリーチャー対策を中心に考えるなら「弧状の稲妻」より全体除去としてこちらを採用した方がいいですね。
広がりゆく海
コスト(1)(青)のオーラで
「エンチャント(土地)」「広がりゆく海が戦場に出たとき、カードを1枚引く」「エンチャントされている土地は島(Island)である」
という効果を持っています。
多色やウルザトロン対策です。
ドローが付いているので「蓄積した知識」と入れ替えても使えるかもしれません。
最後に
クリーチャーデッキに対してかなりの強さを持ったPauperデッキ「赤青ティムコントロール」を紹介してみました。
多分、このデッキは見たことがない人がほとんどだと思います。
私もあの野試合でしか戦ったことがありませんし、MOのリストでも見かけませんしね。
「ティムも使ってみたら強いんだなぁ・・・」
という意外性を体感して
「まだまだ気付いてないだけで新しいデッキは作り出せる」
という希望になったら良いなと思います。
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