青黒コントロールのバリエーション豊かな所が好きなカズヒコです、こんにちは。
今回は、仕組みとしてはシンプルなコントロールデッキ、
Pauper版「青黒アルケミー」
を紹介します。
パウパーの「青黒コントロール」というと・・・
・「幽霊のゆらめき」によるコンボを入れた「フリッカー」タイプ
・「神秘の指導」による柔軟性を取り入れた「ティーチング」タイプ
・この両方を入れたハイブリッドタイプ
といったものがメジャーですが、使いこなすにはかなりの練習を必要とするので扱いにくかったりします。
このブログでも過去に
といったものを紹介しましたが、パっと見ではピンとこなくて
「もうちょっと簡単なコントロールデッキはないの?」
と思った方がいたかもしれません。
「コンボとか柔軟性とかよりもシンプルで使いやすいデッキが良い」
という人もいますよね。
そんな方にオススメなのが今回紹介する「青黒アルケミー」です。
このデッキは
・除去って
・打ち消して
・アドを取って
・フィニッシャーを出して
・カウンターで守って殴り切る
という動きをかなりシンプルに達成するコントロールですから。
コントロールの仕組みや動きを理解するのには最適なデッキなので、コントロールデッキも使ってみたいと思った初心者にもオススメできるデッキです。
パウパーのコントロール入門として、まずはこの「青黒アルケミー」から始めてみてはいかがでしょうか。
Pauper版「青黒アルケミー」のレシピ
土地(22枚)
8 島
4 沼
4 陰鬱な僻地
4 広漠なる変幻地
2 ディミーアの水路
クリーチャー(11枚)
4 ボーラスの占い師
3 熟考漂い
4 グルマグのアンコウ
呪文(27枚)
4 定業
3 禁忌の錬金術
4 対抗呪文
1 禁制
1 魂の操作
4 見栄え損ない
3 喪心
3 チェイナーの布告
1 残響する衰微
1 残響する真実
2 エヴィンカーの正義
サイドボード
4 強迫
3 払拭
1 喪心
1 残響する衰微
1 残響する真実
1 チェイナーの布告
1 エヴィンカーの正義
3 虚無の呪文爆弾
カードの説明
ボーラスの占い師
コスト(1)(青)の「1/3」「マーフォーク・ウィザード」で
「ボーラスの占い師が戦場に出たとき、あなたのライブラリーの一番上から3枚のカードを見る。あなたはそれらのうちのソーサリー・カード1枚かインスタント・カード1枚を公開し、自分の手札に加えてもよい。残りをあなたのライブラリーの一番下に望む順番で置く」
という能力を持っています。
2マナ「1/3」としてブロッカーになりつつ、ライブラリートップ3枚にソーサリーかインスタントがあれば1枚手札に加えられる便利なクリーチャーです。
呪文多めのコントロールではアド損しない活躍をしますね。
熟考漂い
コスト(4)(青)の「2/2」「エレメンタル」で
「飛行」「熟考漂いが戦場に出たとき、カードを2枚引く」「想起(2)(青)」
という能力を持っています。
序盤は「3マナ2ドロー」、中終盤は5マナ「2/2 飛行 2ドロー」としてスキがなく使えます。
フィニッシャーにもなるドロー呪文と考えてもらえば分かりやすいと思います。
グルマグのアンコウ
コスト(6)(黒)の「5/5」「ゾンビ・魚」で
「探査」
という能力を持っています。
「探査」によって1マナで出せるこのデッキのフィニッシャーです。
「攻撃が4回通れば勝ち」
という分かりやすい強さがあり、ガッチガチのコントロールより早い勝ちを狙えます。
定業
コスト(青)のソーサリーで
「占術2を行い、その後カードを1枚引く」
という効果を持っています。
青1マナの定番ドローです。
序盤から終盤まで必要なカードを探せるのでデッキの安定感が増しますね。
禁忌の錬金術
コスト(2)(青)のインスタントで
「あなたのライブラリーの一番上から4枚のカードを見る。それらの1枚をあなたの手札に加え、残りをあなたの墓地に置く」「フラッシュバック(6)(黒)」
という効果を持っています。
デッキ名のアルケミーはこのカードのことで、墓地利用系のデッキで活躍するドロー呪文です。
選ばなかったカードを墓地に落とせるのが「探査」と相性がよく、上手く使えば4ターン目には「グルマグのアンコウ」を出せたりします。
3マナと重いですがインスタントなのでスキがなく使え、そんなに負担にならない呪文ですね。
対抗呪文
コスト(青)(青)のインスタントで
「呪文1つを対象とし、それを打ち消す」
という効果を持っています。
MTGを代表するシンプルな2マナの確定カウンターです。
構えていればほとんどの脅威を排除できるので頼りになる1枚ですね。
「グルマグのアンコウ」を出したあとに2マナ立てて構えてると心強いです。
禁制
コスト(1)(青)のインスタントで
「キッカー(2)(あなたはこの呪文を唱えるに際し、追加で(2)を支払ってもよい)」「呪文1つを対象とする。それのマナ総量が2以下であるなら、それを打ち消す。それがキッカーされていたなら、代わりにそのマナ総量が4以下であるならそれを打ち消す」
という効果を持っています。
追加のカウンターです。
キッカーがあるので序盤から終盤まで腐らず、万能性があって頼れる呪文です。
相手が分からないメインでは広く対応できるこの呪文がいいですね。
魂の操作
コスト(1)(青)(黒)のインスタントで
以下から1つまたは両方を選ぶ・クリーチャー呪文1つを対象とし、それを打ち消す・あなたの墓地にあるクリーチャー・カード1枚を対象とし、それをあなたの手札に戻す
という効果を持っています。
クリーチャー限定のカウンターですが、自分の墓地のクリーチャーも手札に戻すことができます。
青黒のコントロールなら1枚は欲しいカードだと思います。
見栄え損ない
コスト(黒)のインスタントで
「クリーチャー1体を対象とする。ターン終了時まで、それは-2/-2の修整を受ける」
という効果を持っています。
黒らしい1マナの除去です。
対アグロで序盤を凌ぐために必要なカードですね。
パウパーではタフネス2以下のクリーチャーが多いのでけっこう使える1枚です。
喪心
コスト(1)(黒)のインスタントで
「伝説でないクリーチャー1体を対象とし、それを破壊する」
という効果を持っています。
条件付きの黒の除去の中では優秀な1枚です。
伝説のクリーチャーを見かけないパウパーではほぼ確定の除去として使えますね。
除去呪文で迷ったらコレを使っておけば問題ありません。
チェイナーの布告
コスト(1)(黒)のソーサリーで
「プレイヤー1人を対象とする。そのプレイヤーは、クリーチャー1体を生け贄に捧げる」「フラッシュバック(5)(黒)(黒)」
という効果を持っています。
対象を取れないクリーチャーへの対策です。
「フラッシュバック」があるので長い戦いでも活躍できる優秀な除去呪文ですね。
残響する衰微
コスト(1)(黒)のインスタントで
「クリーチャー1体を対象とする。それと、そのクリーチャーと同じ名前を持つ他のすべてのクリーチャーは、ターン終了時まで-2/-2の修整を受ける」
という効果を持っています。
同名のカードをまとめて除去できる優秀な呪文です。
トークンデッキ相手に活躍します。
残響する真実
コスト(1)(青)のインスタントで
「土地でないパーマネント1つを対象とする。それと、そのパーマネントと同じ名前を持つ他のすべてのパーマネントを、オーナーの手札に戻す」
という効果を持っています。
土地以外の脅威を一時的に対処できるバウンス呪文です。
これもトークンデッキ相手に活躍しますね。
エヴィンカーの正義
コスト(2)(黒)(黒)のソーサリーで
「バイバック(3)(あなたがこの呪文を唱えるに際し、あなたは追加の(3)を支払ってもよい。そうした場合、その解決に際し、このカードをあなたの手札に加える)」「エヴィンカーの正義は、各クリーチャーと各プレイヤーにそれぞれ2点のダメージを与える」
という効果を持っています。
4マナで2点ダメージを飛ばす全体除去です。
小粒なクリーチャーが多いアグロには効果的な1枚ですね。
バイバックがあるので後半はタフネス2以下のクリーチャーの存在を許さない強さがあります。
デッキの説明
分かりにくいコンボやサーチなどはなく、シンプルに今必要なことを淡々とこなしていくデッキです。
基本的にはインスタントタイミングで動けるので、相手に合わせて動くことで的確に対応できます。
青黒コントロールでフィニッシャーとしてよく使われている
といった重かったり、勝ちまでが遠かったりするカードと違い、「探査」によって1マナで出せる上に「5/5」という驚異のスペックな「グルマグのアンコウ」をフィニッシャーにしたことで勝ちまでが早くなっています。
上手く回ると4~5ターン目にはカウンターを構えながら出すことができ、相手がモタついていたら早い段階で勝負を決められるアグロ感のあるデッキですね。
コントロールは序盤を凌ぎ切った後にゆっくりアドを取りながら盤石な体制を築いて勝つのが楽しいデッキでもあるんですが、長ったらしいのが嫌いならこのデッキをオススメします。
ガッチガチのコントロール脳ではなく、アグロ脳の方にピッタリなコントロールデッキかもしれません。
基本的な動き
相手に合わせて除去やカウンターで対処しつつ、何もなければドローなどでアドバンテージを取っていくのが基本となります。
フィニッシャーが軽く出せる「グルマグのアンコウ」になっているだけで、仕組みはよくあるコントロールと同じですから。
ただ、アンコウのおかげで動きの遅い相手への早い勝ちパターンがあるのは他の「青黒コントロール」にはない利点かもしれません。
理想の動きとしては・・・
1ターン目
「島」セット、「定業」をプレイ(墓地1枚)
2ターン目
「沼」セット、除去呪文で相手が展開したクリーチャーを除去する(墓地2枚)
3ターン目
「島」セット、相手が何も動かなかったらエンドに「禁忌の錬金術」をプレイ(墓地6枚)
4ターン目
「陰鬱な僻地」セット、「探査」で墓地6枚を追放して1マナで「グルマグのアンコウ」をプレイ
返しのターンで相手の除去を「対抗呪文」で打ち消しアンコウを守る
5ターン目
「ディミーアのギルド門」セット、「グルマグのアンコウ」でアタック
あとはアンコウを守りつつ邪魔なものを排除しながら3ターン殴り切って勝ち
という感じでしょうか・・・
並のコントロールだと相手が多少モタついても何もできませんが、このデッキの場合、強烈な攻め手があるのでそのスキをついて勝ち切ることができます。
アンコウを対処できなければ「あと4ターンの命」という勝ちの早さがこのデッキの特徴ですね。
ちょっとクロックパーミッション寄りのコントロールと思ってもらえると分かりやすいかと思います。
序盤は耐え忍ぶだけでなく、場合によっては反撃できる強さを活かしたプレイングを心がけるといいですね。
このデッキの弱点
フィニッシャーが限られているので、除去が豊富なコントロールに弱いです。
前に紹介した「黒単コントロール(信心)」のような極端な除去コントロールは苦手な相手ですね。
根こそぎクリーチャーが除去されてしまって殴りにいけませんから・・・
仕掛けるタイミングを間違えると何もできなくなるので、プレイングスキルが大きく出る相手になりますね。
青黒系の同系コントロールでのミラーマッチもキツイです。
決め手を潰し合い、お互いに何もできなくなってしまうのでライブラリーアウトでの決着になることもあり、ヘタにドロー呪文を打たない方がいいという地味で辛い戦いになります。
コントロール対コントロールは嫌いです・・・
あと、サイド後に墓地対策を入れられると「探査」や「フラッシュバック」が使えなくなりアド損がキツイです。
「グルマグのアンコウ」を素出しするしかなくなるとクソ重いデッキになってしまうので墓地対策には要注意ですね。
サイドボードの説明
4 強迫
3 払拭
1 喪心
1 残響する衰微
1 残響する真実
1 チェイナーの布告
1 エヴィンカーの正義
3 虚無の呪文爆弾
強迫
コスト(黒)のソーサリーで
「対戦相手1人を対象とする。そのプレイヤーは自分の手札を公開する。あなたはその中からクリーチャーでも土地でもないカード1枚を選ぶ。そのプレイヤーはそのカードを捨てる」
という効果を持っています。
対コントロールのカウンター対策が主な使い方です。
手札確認をして脅威を抜ければ戦いやすくなりますから。
これを打ち消されてもそれはそれでいいですし、1マナとは思えない強力な対策カードですね。
払拭
コスト(青)のインスタントで
「インスタント呪文1つを対象とし、それを打ち消す」
という効果を持っています。
対コントロールや「バーン」などに入れます。
「水流破」と迷ったんですが、広く対応できるこちらを採用しました。
喪心、残響する衰微、残響する真実、チェイナーの布告
相手によって最適な除去に入れ替えます。
メインは散らしているのでムラがありますが、サイド後は万全な体制で挑みます。
エヴィンカーの正義
追加の全体除去です。
タフネス2以下の軽量クリーチャーが並ぶアグロには4ターン目に一掃できるかがカギなので必須ですね。
虚無の呪文爆弾
コスト(1)のアーティファクトで
「(T),虚無の呪文爆弾を生け贄に捧げる:プレイヤー1人を対象とする。そのプレイヤーの墓地にあるすべてのカードを追放する」「虚無の呪文爆弾が戦場からいずれかの墓地に置かれたとき、あなたは(黒)を支払ってもよい。そうした場合、カードを1枚引く」
という効果を持っています。
黒を使ったデッキなら定番の墓地対策です。
こちらは墓地を使うので相手だけ一掃できる上にドローもできて最適だと思います。
その他の候補カード
・嵐縛りの霊
・黒薔薇の棘
・選択
・熟慮
・調査
・否認
・水流破
・苦悶のねじれ
・広がりゆく海
嵐縛りの霊
コスト(1)(青)(青)の「2/2」「スピリット」で
「飛行」「嵐縛りの霊は飛行を持つクリーチャーのみをブロックできる」「不死(このクリーチャーが死亡したとき、それの上に+1/+1カウンターが置かれていなかった場合、それを+1/+1カウンターが1個置かれた状態でオーナーのコントロール下で戦場に戻す)」
という能力を持ったクリーチャーです。
布告除去対策ですね。
これ1枚で除去を2枚使わせられるので、除去が豊富な「黒コン」が多かったらサイドボードに2枚くらいあるといいと思います。
黒薔薇の棘
コスト(3)(黒)の「1/3」「人間・暗殺者」で
「接死」「黒薔薇の棘が戦場に出たとき、あなたが統治者になる」
という能力を持ったクリーチャーです。
場に出すと「統治者」になれます。
相手によっては継続的なアドバンテージが取れるのでこちらを採用しているリストもあります。
採用はお好みでどうぞ。
選択、熟慮
「選択」は、コスト(青)のインスタントで
「占術1を行う」「カードを1枚引く」
という効果を持った1マナドロー呪文で、
「熟慮」は、コスト(1)(青)のインスタントで
「カードを1枚引く」「フラッシュバック(2)(青)」
という効果を持った2マナドロー呪文です。
今回のレシピではドローの質を重視してソーサリーの「定業」を採用していますが、インスタントタイミングで動くことを重視するなら有効なカードです。
「熟慮」はフラッシュバックがあり、「禁忌の錬金術」で墓地に落ちてもアド損しないのでこちらを入れたリストも見かけますね。
何を重視するかで各自入れ替えるといいと思いますよ。
調査
コスト(2)(青)のソーサリーで
「キッカー(1)(黒)」「カードを3枚引き、その後カードを2枚捨てる。この呪文がキッカーされていたなら、プレイヤー1人を対象とする。そのプレイヤーはカードを2枚捨てる」
という効果を持っています。
相手の手札も責められるので上手く使えば強い呪文ですね。
パウパーの「青黒アルケミー」ではメインに2枚採用されているリストをよく見ますが、個人的にはそこまで強くない気がしたので抜きました。
今回のレシピでは「調査」2枚を抜き、「熟考漂い」1枚と「喪心」1枚を増やして盤面への影響を重視しています。
墓地を肥やすことを重視するなら「調査」を採用するのはアリだと思います。
この辺は回してみて各自判断してください。
否認
コスト(1)(青)のインスタントで
「クリーチャーでない呪文1つを対象とし、それを打ち消す」
という効果を持っています。
相手によっては「対抗呪文」より使いやすい場面もあるのでメインとサイドに1枚ずつ入れておいてもいいカードだと思います。
水流破
コスト(青)のインスタントで
以下から1つを選ぶ・呪文1つを対象とし、その色が赤である場合、それを打ち消す・パーマネント1つを対象とし、その色が赤である場合、それを破壊する
という効果を持っています。
赤対策に最適なカードです。
赤いデッキが多いならサイドボードに3枚くらい採用するといいですね。
苦悶のねじれ
コスト(青)(黒)のインスタントで
「クリーチャー1体を対象とする。それはターン終了時まで-3/-0の修整を受ける」「クリーチャー1体を対象とする。それはターン終了時まで-0/-3の修整を受ける」
という効果を持っています。
コンバットトリックや延命に使える除去呪文です。
プロテクション(単色)を持つ「ギルドパクトの守護者」を対処できる貴重な除去なので、環境によっては2~3枚あると安心ですね。
広がりゆく海
コスト(1)(青)のオーラで
「エンチャント(土地)」「広がりゆく海が戦場に出たとき、カードを1枚引く」「エンチャントされている土地は島(Island)である」
という効果を持っています。
青を使ったデッキでの土地対策として定番のカードですね。
「ウルザトロン」や多色デッキのテンポを狂わせられる上に1ドロー付きなので強いです。
これもメタゲーム次第でサイドに数枚、場合によってはメイン採用もありえるカードです。
その時の状況によって判断してください。
最後に
パウパーでトップクラスに使いやすいコントロールデッキ「青黒アルケミー」を紹介してみました。
動きは本当にシンプルながら、コントロールの面白さを体感できるデッキなのでオススメです。
コンボやシナジー満載の長々としたコントロールよりも、シンプルでスパッと決めるコントロールがお好きなら1度お試しください。
「グルマグのアンコウ」で豪快に殴り勝つ気持ちよさはクセになりますよ。
2021年11月9日 追記
改めてレシピを見たら
・除去呪文の見直し
・カウンターの追加
をした方がいいという課題が見つかったのでレシピを修正しました。
下記リンクから修正版のレシピをどうぞ。
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