「感染」はちょっとやり過ぎ感があると思うカズヒコです、こんにちは。
今回は、コモンのみで2ターンキルを実現する驚異のデッキ、
Pauper版「緑単感染」
を紹介します。
上手く回るとパウパー界最速の2ターンキル(もし1ターンキルのデッキがあったら教えてください)を可能にした凶悪なデッキです。
なぜそんな無茶ができるのかというと
「10コ得ると負けになる毒カウンター」
という忘れかけていたルールを強烈にフィーチャーした
「感染」
という能力によって
「お前のライフ10だから」
という理不尽を押し付けることができるからです。
このデッキで採用している「感染」持ちクリーチャーは、ダメージがそっくりそのまま毒カウンターとして換算されるので
「10点与えたら勝ち」
というアホみたいなルールが成立しています。
「感染」が登場した当時、
「ダメージがそのまま毒カウンターになるのはやり過ぎじゃないかなぁ・・・」
と思った不安をそのまま具現化して、やり過ぎ感が出てしまっているのを証明したデッキですね。
「感染持ちクリーチャーのパワーを修正する呪文や能力は、その効果の半分(端数切り捨て)の影響しか与えられない」
みたいな制限があってもよかったんじゃないかと思ったり思わなかったり・・・
まぁ対処しやすい面もあるので「激励」が禁止になった今は弱体化してバランスが取れているのかもしれませんが・・・
弱体化したとは言っても、まだ2~3ターンキルが可能な強さを持っていて相手によってはバグデッキのような強さを誇るデッキです。
使えばその凶悪性が分かるので、ちょっと試しに今から紹介するレシピを回してほしいです。
Pauper版「緑単感染」のレシピ
土地(20枚)
16 森
4 ぐらつく峰
クリーチャー(16枚)
4 ぎらつかせのエルフ
4 荒廃のマンバ
4 胆液爪のマイア
2 嚢胞抱え
2 腐敗狼
呪文(24枚)
4 怨恨
4 巨大化
4 地うねり
4 捕食者の一撃
4 変異原性の成長
4 巨森の蔦
サイドボード
4 自然の要求
4 使徒の祝福
4 鉄の樹の拳
3 死体の野犬
カードの説明
ぐらつく峰
「ぐらつく峰はタップ状態で戦場に出る」「ぐらつく峰が戦場に出たとき、クリーチャー1体を対象とする。ターン終了時まで、それは+2/+0の修整を受ける」「(T):(赤)を加える」
という能力を持った土地です。
土地の枚数を減らさずクリーチャー強化をできる強力な土地です。
10点のダメージを与えたら勝ちのこのデッキでは「+2/+0」修正は大きく、決め手になるカードです。
ぎらつかせのエルフ
コスト(緑)の「1/1」「ファイレクシアン・エルフ・戦士」で
「感染(このクリーチャーは、クリーチャーに-1/-1カウンターの形でダメージを与え、プレイヤーに毒(poison)カウンターの形でダメージを与える)」
という能力を持ったクリーチャーです。
1マナの感染持ちクリーチャーで、2ターンキルの必須カードです。
これを1ターン目に出せるかで勝率が変わりますね。
荒廃のマンバ
コスト(1)(緑)の「1/1」「ファイレクシアン・蛇」で
「感染(このクリーチャーは、クリーチャーに-1/-1カウンターの形でダメージを与え、プレイヤーに毒(poison)カウンターの形でダメージを与える)」「(1)(緑):荒廃のマンバを再生する」
という能力を持ったクリーチャーです。
2マナの感染持ちクリーチャーで「再生」という除去耐性を持っています。
「クリーチャーがいなければ何もできない」
という弱点を少しだけ解消してくれるカードですね。
胆液爪のマイア
コスト(2)の「1/1」「ファイレクシアン・マイア」で
「感染(このクリーチャーは、クリーチャーに-1/-1カウンターの形でダメージを与え、プレイヤーに毒(poison)カウンターの形でダメージを与える)」「胆液爪のマイアがブロックされた状態になるたび、それはターン終了時まで+2/+2の修整を受ける」
という能力を持ったアーティファクトクリーチャーです。
ブロックされるとパワーアップする対処の難しい能力を持っています。
・怨恨
といったトランプルを付与する手段があるのでブロックは歓迎ですね。
嚢胞抱え
コスト(2)(緑)の「2/3」「ファイレクシアン・ビースト」で
「感染(このクリーチャーは、クリーチャーに-1/-1カウンターの形でダメージを与え、プレイヤーに毒(poison)カウンターの形でダメージを与える)」
という能力を持ったクリーチャーです。
コストよりちょっと弱めの感染クリーチャーが多い中で、マナコストと強さが一致しているカードです。
「攻撃が5回通れば勝ち」
なので、3マナで充分なフィニッシャーになりますね。
腐敗狼
コスト(2)(緑)の「2/2」「ファイレクシアン・狼」で
「感染(このクリーチャーは、クリーチャーに-1/-1カウンターの形でダメージを与え、プレイヤーに毒(poison)カウンターの形でダメージを与える)」「このターン、腐敗狼によってダメージを与えられたクリーチャーが死亡するたび、あなたはカードを1枚引いてもよい」
という能力を持ったクリーチャーです。
3マナ「2/2」と悪くないサイズに加え、戦闘でクリーチャーを倒せば1ドローできるという優秀な感染持ちクリーチャーです。
緑単に足りないアドバンテージ力をちょっとだけ補ってくれますね。
怨恨
コスト(緑)のオーラで
「エンチャント(クリーチャー)」「エンチャントされているクリーチャーは、+2/+0の修整を受けるとともにトランプルを持つ」「怨恨が戦場からいずれかの墓地に置かれたとき、怨恨をオーナーの手札に戻す」
という効果を持っています。
「緑の強化手段ならコレ!」
と言える最強クラスの1マナオーラです。
10点与えれば勝ちのこのデッキでは強さがヤバイです。
巨大化
コスト(緑)のインスタントで
「クリーチャー1体を対象とする。ターン終了時まで、それは+3/+3の修整を受ける」
という効果を持っています。
緑を代表する1マナの強化呪文です。
「感染」と合わせるとバケモノ級の呪文になりますね。
地うねり
コスト(緑)のインスタントで
「クリーチャー1体を対象とする。それはターン終了時まで+2/+2の修整を受ける」「上陸 ― このターン、土地があなたのコントロール下で戦場に出ている場合、代わりにそのクリーチャーはターン終了時まで+4/+4の修整を受ける」
という効果を持っています。
「上陸」を達成すれば1マナで「+4/+4」という最強クラスの強化呪文です。
普通に使っても弱くなく、非の打ち所がないカードですね。
捕食者の一撃
コスト(1)(緑)のインスタントで
「クリーチャー1体を対象とする。それはターン終了時まで+3/+3の修整を受けるとともにトランプルを得る」
という効果を持っています。
1マナ重くなって「トランプル」を付与する効果がついた「巨大化」です。
チャンプブロックを許さずダメージが通るので1マナ増えただけで決め手級になった強力な呪文ですね。
変異原性の成長
コスト(緑/Φ)のインスタントで
「(緑/Φ)は(緑)でも2点のライフでも支払うことができる」「クリーチャー1体を対象とする。それはターン終了時まで+2/+2の修整を受ける」
という効果を持っています。
10点のダメージで勝てるこのデッキで、マナがなくても撃てる「+2/+2」修正はかなり大きいですね。
相手の予想を超えるダメージを与えられる決め手級のカードです。
巨森の蔦
コスト(緑)のインスタントで
「キッカー(緑)(あなたがこの呪文を唱えるに際し、あなたは追加の(緑)を支払ってもよい)」「クリーチャー1体を対象とする。このターン、それはあなたの対戦相手がコントロールする呪文や能力の対象にならない。この呪文がキッカーされているなら、ターン終了時まで、そのクリーチャーは+4/+4の修整を受ける」
という効果を持っています。
1マナでクリーチャーを守れる呪文です。
キッカーを払えば強化もできるのでこのデッキと噛み合っています。
除去が豊富な相手には常にこれを構えてクリーチャーを展開するといいですね。
デッキの説明
「感染」持ちクリーチャーを全力で押し出した最速のビートダウンデッキです。
一応、「感染持ちクリーチャー」は調整されてパワーを控えめに作られていますが、強化呪文によってその調整を無にするような強さを持っています。
戦闘でも相手に「-1/-1」カウンターという形で傷跡を残すので、殴り合いでちょっと有利になっていますし、クリーチャー環境のパウパーでは中々ヤッカイな存在です。
凶悪なクリーチャーでの殴り合いが好きな方にはオススメできるデッキですね。
基本的な動き
「感染」持ちクリーチャーを展開し、強化して殴って10点を与え、毒カウンター10個を達成して勝つのが基本です。
決まれば2ターンキル、遅くても4ターンには勝ち切れる速度を持っています。
まずはデッキの狙いを知ってもらうために2ターンキルの理想的な動きを紹介します。
2ターンキルの動き
1ターン目
「森」セット
「ぎらつかせのエルフ」をプレイ
2ターン目
「森」セット
「ぎらつかせのエルフ」に「地うねり」「巨大化」「変異原性の成長」をプレイ
パワー10になった「ぎらつかせのエルフ」でアタックし、通れば10点(毒カウンター10個)で勝ちです。
1ターン目に「ぎらつかせのエルフ」を出せるかどうかでこのデッキの強さが変わってきます。
返しのターンに対処できず、タップインランドセットでエンドした相手は即死のリスクがあり、気が気じゃありません。
この展開は対コントロールでありがちで、序盤が遅いデッキ相手にブン回るとあっけなく勝負が決まります。
ただ、このベストパターンが決まるのは稀なので、除去が豊富な対コントロールはけっこう苦手ですね。
もし1マナ「1/1」の感染持ちクリーチャーがもう1種類出ればグッと完成度が上がるんですが、それが叶うのは遠い遠い未来になりそうです。
受けながら勝ちの場を築く
2ターンキルは決まれば嬉しいブン回りなのであまり期待せず、無難に4~5ターンキルくらいを狙うのがいいと思います。
基本的な動きは2ターンキルと同じなんですが、相手が除去を構えてそうならこちらもむやみに強化せず、地道に殴るプランもアリです。
場に「森」が2枚で「1マナの強化呪文」と「巨森の蔦」を持っている場合、1マナで強化するだけにして「巨森の蔦」を常に構え、一撃を狙わず地道に殴る方が安泰です。
クリーチャーがいなくなると何もできないので、除去されないことに重点を置いてプレイする方がいいですよ。
このデッキの弱点
「感染」が強力とはいえ、ただのクリーチャーデッキでしかないので除去にメチャクチャ弱いです。
特に除去満載の黒系コントロールは厳しいですね。
単体除去はどうにか「巨森の蔦」で守れたりしますが、布告除去はメインではどうしようもなくキツイです。
こちらのデッキは仕掛けが単純で、相手からしたら
「クリーチャーを除去すればOK」
という感じで対処も簡単ですから、サイドボード後は厳しい戦いになります。
後手番の場合、むやみにクリーチャーを展開しても除去の的になるだけなので、ブン回りよりはもう少し曲線的な展開をする方がいいかもしれません。
どうにか生き残らせることが大切なので、土地を並べ、クリーチャーを1回は守れる場を作ってから展開し、お互いに手札を消耗する持久戦の方が勝ちの目がありますから。
2ターンキルを売りに紹介しておいてアレですが、意外と柔軟なプレイングが大事なデッキになりますね。
サイドボードの説明
4 自然の要求
4 使徒の祝福
4 鉄の樹の拳
3 死体の野犬
自然の要求
コスト(緑)のインスタントで
「アーティファクト1つかエンチャント1つを対象とし、それを破壊する。それのコントローラーは4点のライフを得る」
という効果を持っています。
ライフは関係ないので軽さを取ってこちらを採用しています。
使徒の祝福
コスト(1)(白/Φ)のインスタントで
「(白/Φ)は(白)でも2点のライフでも支払うことができる」「あなたがコントロールするアーティファクト1つかクリーチャー1体を対象とする。あなたはアーティファクトか色を1色選ぶ。それはターン終了時までプロテクション(その選ばれた性質)を得る」
という効果を持っています。
感染クリーチャーを守ることが大切なので、除去が多い相手には「巨森の蔦」と合わせて防御8枚体制にして生き残りを重視します。
除去をかわすだけじゃなくプロテクションでブロック回避もできるので、広く使えて便利な1枚です。
鉄の樹の拳
コスト(1)(緑)のオーラで
「エンチャント(クリーチャー)」「鉄の樹の拳が戦場に出たとき、緑の1/1の苗木(Saproling)クリーチャー・トークンを2体生成する」「エンチャントされているクリーチャーはトランプルを持つ」
という効果を持っています。
布告対策にトークンをばら撒きつつ、「トランプル」を持たせられるので使える1枚だと思います。
死体の野犬
コスト(4)の「2/2」「感染」「ファイレクシアン・犬」で
「感染(このクリーチャーは、クリーチャーに-1/-1カウンターの形でダメージを与え、プレイヤーに毒(poison)カウンターの形でダメージを与える)」「死体の野犬が戦場に出たとき、あなたの墓地にある感染を持つクリーチャー・カード1枚を対象とする。あなたはそれをあなたの手札に戻してもよい」
という能力を持ったアーティファクトクリーチャーです。
コントロール相手への長期戦を考えたカードです。
しつこくしつこくクリーチャーを展開し、息切れを待って逆転の場を作るのが理想ですね。
その他の候補カード
・濃霧
・水蓮の花びら
・大祖始の遺産
・カルニの庭
濃霧
コスト(緑)のインスタントで
「このターンに与えられるすべての戦闘ダメージを軽減する」
という効果を持っています。
延命だけじゃなく、アグロが決めにきたフルアタックを無効化し、逆転の一撃を狙うことが真の狙いです。
水蓮の花びら
コスト(0)のアーティファクトで
「(T),水蓮の花びらを生け贄に捧げる:好きな色1色のマナ1点を加える」
という能力を持っています。
シンプルなマナ加速です。
1ターン目に感染クリーチャーを出すのがベストなので、それを実現するための1枚です。
2マナクリーチャーも1ターン目に展開できるようになり、スピード感がアップします。
ブン回りを重視するなら個人的な趣味で入れているオシャレポイントな「ぐらつく峰」をこれに変えるのはアリです。
ただ、2021年7月4日現在、1枚1000円~1500円という高値のコモンなので安さというメリットは消し飛びます。
大祖始の遺産
コスト(1)のアーティファクトで
「(T):プレイヤー1人を対象とする。そのプレイヤーは自分の墓地にあるカード1枚を追放する」「(1),大祖始の遺産を追放する:すべての墓地にあるすべてのカードを追放する。カードを1枚引く」
という効果を持っています。
墓地対策として定番のカードです。
カルニの庭
「カルニの庭はタップ状態で戦場に出る」「カルニの庭が戦場に出たとき、緑の0/1の植物(Plant)クリーチャー・トークンを1体生成する」「(T):(緑)を加える」
という能力を持った土地です。
メインから布告除去対策をするなら4枚採用もありえるカードです。
「ぐらつく峰」は攻め、「カルニの庭」は受けという感じですね。
タッチ青での候補カード
・荒廃の工作員
・定業
・払拭
・ひずみの一撃
・飛翔する海崖
緑単にこだわらずタッチ青をすることで柔軟性を増すことができます。
使える青のカードをザっと紹介しますね。
荒廃の工作員
コスト(1)(青)の「1/1」「ファレクシアン・人間・ならず者」で
「感染(このクリーチャーは、クリーチャーに-1/-1カウンターの形でダメージを与え、プレイヤーに毒(poison)カウンターの形でダメージを与える)」「荒廃の工作員はブロックされない」
という能力を持ったクリーチャーです。
シンプルに攻撃を通す能力に長けていて、これのために青をタッチする価値がある強いカードです。
これを対処できなかった返しには即死が待っている可能性がある油断ならないクリーチャーですね。
定業
コスト(青)のソーサリーで
「占術2を行い、その後カードを1枚引く」
という効果を持っています。
青定番のドローで安定性を高められます。
払拭
コスト(青)のインスタントで
「インスタント呪文1つを対象とし、それを打ち消す」
という効果を持っています。
除去避けだけじゃなく、カウンター対策もできる便利な1枚です。
ひずみの一撃
コスト(青)のソーサリーで
「クリーチャー1体を対象とする。それはターン終了時まで+1/+0の修整を受けるとともに、このターン、それはブロックされない」「反復(この呪文があなたの手札から唱えられたなら、これの解決に際し、これを追放する。あなたの次のアップキープの開始時に、あなたはこのカードを追放領域からこれのマナ・コストを支払うことなく唱えてもよい)」
という効果を持っています。
青らしいブロック回避をしつつパワーを1上げてくれる呪文です。
「感染」だとパワーが1上がるだけでも強く、「反復」で次のターンにも使えるので、上手くいけば4点以上が保証される便利なカードですね。
飛翔する海崖
「飛翔する海崖はタップ状態で戦場に出る」「飛翔する海崖が戦場に出たとき、クリーチャー1体を対象とする。ターン終了時まで、それは飛行を得る」「(T):(青)を加える」
という能力を持った土地です。
さりげなく回避能力を与えられる便利な土地ですね。
後半に引くと決め手になることもあり、なかなか侮れない1枚です。
最後に
パウパー界最速のキルターンを持つ強力なデッキ「緑単感染」を紹介してみました。
・キルターンの速さを求める方
・クリーチャーを強化して殴るビートダウンが好きな方
・「緑単ストンピィ」のようなメジャーなデッキとは違った変化球が欲しい方
など、様々な人の要望を叶えてくれるデッキなので、興味を持ったらぜひお使いください。
10点パンチで勝てるシンプルさはクセになるかもしれませんよ。
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